カリルでビーフカレー。
ルーは濃く、肉は大きい。散策の途中の食事としてちょうどよかった。
雨はまだ続いている。

京都府庁旧本館へ行く。
中へ入ると、階段の手すりやアーチ、暖炉、鏡、木の家具が残っていて、古い官庁建築の端正さのままになっている。
明治の建物だと頭では分かっていても、実際には「明治」という札はない。しかし、壁の装飾や窓のガラスを見ていると、現代では無いと感じた。


上階の窓から中庭の枝垂れ桜を見下ろす。
ガラスと雨は挟んだせいで輪郭がおぼろげ。ガラス越しの景色が別の室内のように見える。
満開の時期は過ぎているのだろうが、窓の枠で切り取られると気にならない。
仕事をするならこういう部屋がよい、などと勝手なことを思った。


そこから、二条城へ向かう。
中へ入る人は多いが、嵐山のような混み方ではない。傘をさしていても、まだ景色の余白が残っている。

城内の桜は、場所によってかなり違った。
桜の園では、咲き具合が木ごとにばらばら。散っているもの、ちょうど満開のもの、まだ蕾の残るものが混じっている。
その中でも白い「雨宿り」という名の桜は今日の空に合っていた。
桜も近くで見れば、花芯や水滴のたまり方がそれぞれ違う。遠くから見ると「桜」というひとかたまりで済むものが、近づくと急に別々の顔になる。

全体として満開を少し過ぎた木も多いが、休憩所のあたりはまだよく残っている。
地面には花びらが散っているが、木の上にもまだ十分ある。その中途半端さが見える場所だった。タバコが美味い。

清流園の案内板を見て、庭の方へまわる。
迎賓のために作られた庭。建物は和風と洋風が半分ずつ入っているらしい。
池も石も建物も、いかにも歓迎している作りで、少しきれいすぎるくらい。
建物のまわりに咲いている桜がよく映える。

二条城では、「緑の園」のあたりの桜もよかった。
大きな木が道の上へ枝を出していて、通りの幅と木の大きさがいいかんじに釣り合っている。
雨の日の桜は、空を背景にすると少し負けるのが悲しい。

桜の季節ももう終わり。
ピリオドの彼方に
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