ドラクエ11の謎・ストーリー考察 過ぎ去りし時を求めて(1)

ドラクエ11で、シナリオ上の疑問は色々あるだろうけれども、特にポイントとなると思われる「時のオーブを壊したとき、その世界はどうなるか」について、以下に考察する。
がっつりネタバレのため、観覧にはご注意下さい。

ちなみに、ドラクエ11内では謎の答えが全て明確になってはいない(おそらく、あえてしていない)ので、各個人で「こうだろう」という結論は出ると思うけれども、絶対コレで確定、というものは無いと思っています。


本記事で主として考察する「ドラクエ11の謎」の定義



主人公(勇者)とセニカは、時のオーブを壊すことで時空を越えるが、その結果として3つの世界が存在しえる。
  • @ベロニカが居ない世界

  • A主人公(勇者)が過ぎ去りし時を求めた世界

  • Bセニカが過ぎ去りし時を求めた世界


これら3つの世界はそれぞれ別に存在する(別の世界線、パラレルワールド)のか、そうでは無いのかについて考察する。

存在するパターンは以下の通り。
  • (1)全てパラレルに存在する
  • (2)全ては1つの世界に収束する
  • (3)パラレルに存在する世界と収束した世界の2つになる※
    • (3−1)「@とA」は同じ世界だが「B」がパラレルに存在する
    • (3−2)「AとB」は同じ世界だが「@」がパラレルに存在する

(※)@→Bに過ぎ去りし時を求めていないので、【「@B」「A」】は除外

いずれの組み合わせパターンにせよ、以下の組み合わせとなる。
その為、考察は以下のA〜Cについて考えることにする。
  1. @とAがパラレルに存在するか、否か。

  2. AとBがパラレルに存在するか、否か。

  3. 上記がいずれも否(すなわちドラクエ11の物語の結果は一つに収束する。時間軸から考えるとAの世界に収束する)。



本編で語られる内容(事実)



【時の番人のセリフ】
「その 時のオーブを こわすことで
 じくうの ながれが みだれ
 すべてが 過去に まきもどるのです
「おそらく……いま この時をつむいでいる
 いちばん あたらしい 時のオーブを
 こわしてしまえば……
「あなたたちが のぞむ……
 せかいが やみにおおわれる ちょくぜんに
 もどることも できるかもしれません
「あなたたち ぜんいんが
 過去に いくことは できません。
「時のオーブを こわすには
 すべてを たちきることのできる
 おおいなる チカラが ひつようです


【カミュ】
「過去に戻った ○○(主人公)は
 また ここに戻ってこられるんだろうな?


【時の番人】
「……いちど 過去に もどれば
 おそらく にどと この せかいには
 もどってこられないでしょう。それに……。
「こわれた 時のオーブが ぼうそうすれば
 ねじまがった 時の うずに
 のみこまれて しまうかもしれない
「時の うずに のまれてしまったら……
 ○○(主人公)は えいえんに 時の はざまを
 さまようことに なるでしょう……。


【時の番人】
「あなたが 過去にもっていけるのは
「あなたの きおくともいえる
 ぼうけんの きろくと……
「あなたが これまでにえた
 たたかいの けいけん……。
「時の祭壇の まわりを まわっている
 悠久の金庫の なかみのみ。
「……悠久の金庫は あなたとともに
 時をさかのぼることができる
 せかいで ゆいいつの そんざい。


【過ぎ去りし時を求めた直後のあらすじ】
「時のオーブを壊すと ときが 巻き戻っていき
気がつくと ○○(主人公)は とある大地にいた
そこは まだ 命の大樹が落ちる前の
穏やかなゼーランダ山であった


【エンディング】
  • セニカが時のオーブを割った後も主人公たちに変化は無い。ベロニカ・セーニャとともに命の大樹に勇者のつるぎを返す様子も描かれる。なお、その際、主人公の手にはアザがあり、勇者の力は失っていない。

  • セニカはローシュと再会した様子が描かれる。

  • エンディングのドラクエ3の世界で、主人公(勇者)と7人の仲間たち、つまりベロニカとグレイグ含む8人が命の大樹に臨む本を、勇者の母親が読んでいて本棚に戻す、という描写がある。



A.@とAがパラレルに存在するか、否か



主人公が時のオーブを破壊し、Aの世界が発生した後、@の世界がどうなるか、である。

A−1.パラレルに存在する



@とAの世界はパラレルに存在する。
理由は以下の通り。

以下の事実がある。
  1. 時の番人の発言;「いちど 過去に もどれば おそらく にどと この せかいには もどってこられないでしょう

  2. 時の番人の発言;「時の うずに のまれてしまったら…… ○○(主人公)は えいえんに 時の はざまを さまようことに なるでしょう……。

  3. エンディングでセニカが時のオーブを割った後も主人公たちに変化は無く、命の大樹に勇者のつるぎを返す様子も描かれる。一方で、セニカはローシュと再会した様子が描かれる


αより、
「この世界」(@のベロニカの居ない世界。ついでに主人公も過ぎ去りし時を求めたので居なくなる)と述べていることから、主人公が過去に戻った世界、つまりAと、「この世界」が存在することを意図している。「この世界」が無くなるのであれば、わざわざ「この世界に戻ってこれない」という必要はない

βより、
「時の渦に飲まれたら主人公は時の狭間をさまよう」という発言は、主人公だけが時間移動するためと考えられる。世界全てであれば、世界全てが時の狭間に巻き込まれると考えるのが相当ではないか。

γより、
セニカが時のオーブを割った後はABそれぞれの世界が描かれることから、時のオーブを割るとそれぞれの世界に分かれるという仕様であると類推される。ということは、当然に@の世界も存在する。

その他、
時のオーブ割る前に、仲間たちから主人公にだけお別れの言葉があるが、@の世界が無くなるのであれば、仲間どうしでも何か声を掛けるのではないか。そんな描写は一切無いのは、@の世界が残るからである。

A−2.パラレルに存在しない



@とAの世界はパラレルに存在しない。@の世界は消滅する(過去に戻る)。
理由は以下の通り。

A−1のαについて、
「この世界に戻れなくなる」のは、「この世界」が消滅するので当然戻れなくなるということを述べている。話している対象が主人公であるから、まるで主人公のみが戻れなくなるように解釈できるが、そうではなく、「この世界」全ての存在が過去に巻き戻るので「この世界に戻れなくなる」と発言しているのである。

A−1のβについて、
時の番人の発言は、「そうなるかも」であり、そもそも時のオーブが暴走するシロモノなのかどうかは分からない。時の番人自身も時のオーブの破壊は初めて経験することであり、可能性の話をしたまでである。また、作中で2回時のオーブを壊すが、一度も暴走は発生しない。この発言は、主人公の覚悟を問うための単なる脅しではないのか。

A−1のγについて、
時の番人の発言は、「いま この時をつむいでいる いちばん あたらしい 時のオーブを」と発言している。
なぜわざわざ「いちばん あたらしい」と言う必要があったのか? それは新しくない古いオーブも存在しているためである。つまり、@の世界で主人公が壊したのは「いちばん あたらしい 時のオーブ」で、エンディングでセニカが壊したのはローシュ達が生きていた神話時代に時を刻んだオーブである。そのオーブはいまや時を刻んでいない時のオーブであるから、主人公が最新の時のオーブを割ったときと同じことが起こるとは言えない

その他について、
仲間が主人公にだけ声をかけているのは、「○○は えいえんに 時の はざまを…」という時の番人の発言を真に受け、声をかけていると考えられる。

反論以外の論拠は以下の通り
  • 【過ぎ去りし時を求めた直後のあらすじ】に「時のオーブを壊すと ときが 巻き戻っていき」とある。これを素直に読めば、主人公だけが時を戻ったなどとは考えられず、世界全体の時間が過去に遡ったと考えるのが相当である。
    • 【再反論】「ときが 巻き戻っていき」の前に”主人公の”が省略されている。巻き戻る時の描写で主人公に起こった出来事ばかり描かれるのもこのためである。世界のときが巻き戻ったとはどこにも書いていない。

  • Aの世界で、いろんな人が@の世界で起こったことをうっすら記憶している節がある(エンディングでセニカが時のオーブを割った後のカミュの「まえにあったような」発言など)。これは時が戻ったにも関わらず記憶が残っている、という描写である。
    • 【再反論】別の世界線で発生したことを何となく感知しているという描写であり、ドラクエ6の上の世界で発生したことが下の世界に影響を及ぼしたように、@別の世界で発生したことがAの世界でもうっすら感知できているということでは。ドラクエの世界観には無いが、デジャヴ(リーディング・シュタイナー)とも考えられないか。


MRBの個人的見解



@とAの世界はパラレルに存在しない。@の世界は消滅する(過去に戻る)、と考える。

「Aの世界で、いろんな人が@の世界で起こったことをうっすら記憶している」のは、やはり、過去に戻る前の記憶をそのまま保持していると考えるのが相当と思う。
また、【過ぎ去りし時を求めた直後のあらすじ】にある文章は、素直に読めば「(世界の)とき」が巻き戻ったと考えられる。描写が主人公のまわりの出来事ばかりなのは、そりゃ主人公の周りではないできごとを描かれても、プレイヤーが経験しておらず何のことか分からないからだろう。

Aの世界に行ったとき@の世界が消えてしまっていると、@の世界に続くドラクエ本編が存在した場合は矛盾を抱えることになるが、今のところ、@が前段となるドラクエシリーズというのは無いと思うので、問題はないと考える。

もし@の後の世界が今後のドラクエナンバリングタイトルで描かれた場合は、【過ぎ去りし時を求めた】ドラクエ3以降と、【過ぎ去りし時を求めなかった】ドラクエXXがパラレルに存在する、ということでどうでしょうか。
@のエンディングで”The End”と出てくることから、お話としては一応これで完結しているはずである。PS版などリメイク版ドラクエ4で世界樹の花を咲かさずに終わったようなものと考えれば良いのではないだろうか。
(完全なハッピーエンドではないが、一応物語としては完結)


Aの主人公が過ぎ去りし時を求めた後の世界と、Bのセニカが過ぎ去りし時を求めた後の世界が1つの世界なのか、それぞれパラレルに存在することになるのか(別の世界線になるのか)については、本記事が長くなったので、改めて別記事でまとめたいと思う。

ちなみにドラクエ11とは切り離して、『時間はなぜ「進む」のか』『時間とはいつ生まれたのか、あるいは永遠なのか』『そもそも時間とは何か』などなど、時間はかなり面白い話なので、是非いちどどうぞ。

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Day 09月18日
Month 2017年09月
Category ドラクエ
Tag ドラクエ 2017年 

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